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「2001年、春の電車の中」

『12人の指名打者』−ジェームズ・サーバーほか−
私はそれほど野球好きというわけではないけれど、アメリカの野球小説は割と好きです。その時代の空気やアメリカらしさの象徴としてのベースボールを、肌で知ることのできなかった私にとって、ここに収録されている小説はどこまでが現実で、どこまでが空想なのかその境界線は曖昧です。でもその曖昧さが逆に私にとっては魅力的でもあります。

『宙ぶらりんの男』−ソール・ベロウ−
最近、「この日をつかめ」とか「犠牲者」などソール・ベロウの本を続けて読んでみたのですが、どの本でも主人公が、行き場のない気持ちを抱えています。「宙ぶらりんの男」の主人公は、追いつめられていると言うわけではないのだけれど、日記形式で書かれていることもあって、主人公の内面の葛藤が生々しい。最後に自由よりも束縛を選択する主人の気持ちがなぜかよく分かります。

『さすらいの青春』−フールニエ−
なんで今頃、こんな小説を読んでいるんだ、と読んでいる自分で思うくらいに美しい青春小説。フランスの田舎にある学校を舞台に、主人公たちが「純粋でありつづけること」を追求し、そしてそのために友達との「約束を守る」ことで自分の大切なものを失ってしまう。古いフランス映画を観ているようなストーリーだと思ったら、映画化もされてました。中学生の時に読んだらどう思っただろう?

『本とその周辺』−武井武雄−
私は童画家として、その絵しか見たことがありませんでしたが、武井武雄はいくつかの本も出しているし、童話も書いています。おもちゃなども作っていたんですね。この本は一言で言うなら、文章も挿し絵も表紙も装幀も紙の質までも含めて一つの作品としての本に対する武井武雄のこだわりを書いた本です。この人は本当に真剣に一つの美術作品として本をとらえていたんだということがよく分かります。



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