5月のある晴れたウィークディ、僕たちは窓から差し込む太陽の光で目を覚ます。彼女が台所で朝食を作っている間に、僕は簡単な部屋の片づけをする。窓を開ける音に気づいて黒猫のジュジュ、三毛猫のサヴァが走ってくる。僕はネコたちが入ってこないように網戸を閉める。僕は喘息なのでネコを部屋に入れるわけにはいかないのだ。ネコたちは皿の餌を食べ、ミルクを飲んでいる。テーブルを移動させる音や食器がふれあう音に反応して網戸をガリガリと引っ掻く。僕たちは窓際のテーブルに坐って、ネコたちを見ながら蜂蜜をぬったトーストと目玉焼き、昨晩の残りで作ったサラダを食べる。棚の上に置いてある古いレコードプレーヤーが、自分の奏でる音楽に混じってカタカタ音を立てている。
川沿いの遊歩道脇の桜はもう散ってしまっているけど、流れのない川辺には花びらがまだ浮いている。彼女は僕の自転車の後ろで何か歌を歌っている。それは風にながれて僕には良く聞こえない。彼女の好きな60年代の曲を適当な英語で歌っているのか、それとも日本語の曲なのか・・・・。歩道の真ん中で小さな子供たちが集まって遊んでいる。
日曜日はリトルリーグやサッカーチームの少年たちで埋め尽くされるこの公園も、ウィークディの今日は誰もいない。ただ青々とした芝生が広がっているだけ。時々飛行機が大きな音を立てながら駆け上がっていく。彼女は色鉛筆で飛行機の絵を描いている。僕は絵を描いている彼女の写真を撮っている。
閑散とした商店街をふらふらと自転車で進む。通りにはみ出した小さな花屋で、薄いピンク色をしたチューリップをいくつか買う。本屋でお気に入りの雑誌の新しい号をを見つけた。早くうちに帰って少し遅め昼食をとることにしよう。
ボサノヴァを聴いていて、ふと思い浮かべた風景。