誰もが知っている「Getz/Gilberto」を思い出すまでもなく、ボサノヴァにはデュエットのアルバムが多い。それもグループとしてではなくて、ソロのアーティスト同士がそのアルバムだけ組んで一枚のレコードを作るというもの。まあそのミュージシャンの奥さんとデュエットという場合もよくありますが・・・・。
「Domingo」はCaetano VellosoとGal Costaの68年の傑作。68年。モノクロの2人の写真と空色とピンクの文字がアルバムの内容と見事にマッチしている。何かが終わってしまったあとのけだるさ。同じ68年でもMarcos Valleの「SAMBA '68」はポップなアルバム。クレジットはソロだが、全編にフューチャーされる当時の奥さんのAna MariaとValleとの掛け合いが楽しい。ボサノヴァ文脈では、第二世代ということや、政治に傾かなかったことで、軟派と言われているValleだけど、私は結構好き。なんといってもポップないい曲書くよ。夫婦で競演と言えば最近CD化されたLuiz BonfaとMaria Toledoの「Braziloana」。L.Bonfaのギター、M.Toledoのスキャットもいいけど、なんといっても録音がよいのだろう。オーケストラにさえ涼しさを感じてしまう。
Odette Lara、Baden Powellなど、数々の共演者とアルバムを残しているボサノヴァの詩人、Vinicius de Moraesは、コンビを組んでいる間は絶対に相手に浮気をさせなかったらしい。Elis Reginaもデュエットアルバムが多い歌手。Toots Theilemansとの「Aquarela do Brasil」とかね。私はJair Rodriguesとの「Dois Na Bassa Numero2」が好き。
サンバでもPaulinho Da ViolaとElton Medeirosの「Samba Na Madrugada」や、Clara Nunesの「Com Vida」などデュエットアルバムは多い。ブラジルにはデュエットという伝統があるのだろうか。