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「デジタル時計」

一人暮らしを始めて、始めて買った時計は、教育実習のために調布の中学校の下見に行った帰りに通りかかった古道具屋で見つけた時計。甲州街道沿いにあるその古道具屋はその昔、「探偵物語」の撮影に使われたそうで、私がその店に入ったとき「探偵物語」のファンだったという人が「撮影に使わせて欲しい」という話をしてた。その時に買った時計は50年代に作られたゼンマイ式で、1日でもゼンマイを巻かないと止まってしまうし、動いているときはカチカチうるさいし、本当にわがままな時計だった。

目が悪いので、朝、起きたときにちゃんと時間が分かるような、文字盤の大きな時計が欲しいとずっと思っていたのだけど、結局、新しく買った時計は青と白の色がきれいなデジタル時計。時計が欲しいと思い始めて、いろいろ考えているうちにデジタル時計が頭から離れなくなってしまったのだ。デジタル時計と言っても液晶とか電光掲示板みたいに文字が光るタイプのものではなくて、羽の一枚一枚に文字が書いてあって、上半分がカシャカシャと倒れていくタイプのもの。昔、誰の家にも1つはあったんじゃないかな。もちろん私の家にもあった。父親が勤めている会社の創立記念でもらったもの。今回吉祥寺や下北などいくつか古道具屋や雑貨屋を回ってみたのだが、裏に「(株)○○○○ 創立△周年記念」と書かれた時計を見かけてはちょっと懐かしいような気分になった。

年末くらいから探し始めて、ボディの色は赤がいいなとか、目覚ましはついていた方がいいなとか、電源は電池の方がコードがないし便利だな、とか、雑貨屋をはしごしては眺めていたのだけど、結局吉祥寺のSide-Cで、入荷したばかりの試験中だったものに一目惚れしてしまい、試験が終わるのを待って買ってしまった。必須だったはずの目覚ましの機能もついてないんですけどね。(2000.2.1)



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