「ブリティッシュ・メランコリィ」

ここ2、3年のことだが、1月に入って、突き刺すようなひんやりした空気を、朝、家を出るときに感じる頃になると、今年こそイギリスのフォーク、トラッドを聴いてみようと思う。今年も年の初めにはWizz JonesやJohn Renbourn、Roy Harper・・・・など、欲しいCDのリストを考えたり、松平維秋のトラッドに関する文章を読んだりしていたのだが、結局はほとんど聴かないうちに1月が終わってしまいそうだ。それでも午前中のあまり人のいない会社で、ブラインドの隙間から薄い太陽の光が射す中、Nick DrakeやDonovan、Al Stewartなどを聴いていると、落ち着いた気分で仕事が出来るような感じがした。あるいは、夜家に帰ってからまだ少しだけ寒い部屋の中で、紅茶やコーヒーを飲みながら、そういったレコードを聴いていると、心地よく一日が終わっていくような気分になれた。
そんな風に冬の日々を過ごしながら聴いたレコードと言えば、やはりColin Blunstone。特に「I Don't Believe Miracles」。この曲が入っている2ndはCD化されていないのが残念。Blunstoneが元ZonbiesならTerry Sylvesterは元Hollies。ソフトフォーカスの写真が使われたジャケットと解説の"delicate"という言葉にひかれて買ってみた。ポップス寄りの内容で個人的にはいまいち。同じような感じのジャケット写真でもDuncan Browneの2ndは良かった。逆にロック寄りなのはNicky Hopkinsの「夢見る人」。でもどことなく繊細な感じがするのは彼のヴォーカルによるところが大きい気がする。こじつけて言えばPhilmore Lincolnの「夢見る港」はロックはもとより、R&B、フォークなど幅広い。個人的にはソフトな曲ばかり聴いている。タイトル曲はMary Hopkinが歌ってヒットした。Pete Hamの「7 Park Avenue」を聴いてメランコリィな気分になってしまうのは、Bad Fingerの軌跡や彼が27歳で自殺したという事実を知ってしまってるからだろうか。(2000.1.25)
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