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「ジャズ、レコードジャケット、50's」

50年代のレコードジャケットの写真はどれもどこか絵のような感じがします。印刷技術が進んでなかったこともあるけれど、レコードや音楽が「ここではない何処かへつれていってくれる」道具ととして使われていたからじゃないかな。だからジャケットも演奏者よりもその音楽から思いおこされる風景や情景をイメージしたものが多いし、そのためにははっきりとした映像よりもどこかぼやけた、夢のような感じが必要だったのでしょう。ただしモダンジャズのレコードだけは別で、ほかの50年代のレコードと並べると全然違う質感を持っていることに気づきます。

Blue Noteのジャケットと言えばReid Milesのデザインがトレードマークみたいなものだけど、多くのジャケット写真を撮っていたのはFrancis Wolfという人。彼の写真は演奏シーンや顔のアップが多いのだけど、どれもプレーヤーの個性が強く主張されている。もっともそんな彼の写真をより際だたせているのはMilesのデザインですけどね。それでもDexter Gordonの「Getting Around」やHank Mobleyの「No Rooms For Squires」を見れば彼がどんな写真を撮っていたかが分かります。ちなみにReid MilesはHerbie Hancockの「Maiden Voyage」、Lou Donaldsonの「Alligator Bogaloo」などで自分で撮った写真をジャケットに使用しています。

Blue NoteにReid Milesがいたように、ウェストコーストにはWilliam Claxtonがいて、「Chet Baker Sings & Plays」や「Chet Baker & Crew」、そして芝生の上に寝ころんだ女性が眩しい「Ground Encounter」など、PacificやContemporaryといったレーベルのレコードジャケットを撮影しています。彼の写真はまさに50年代のヴォーグやハーパース・バザーといったファッション誌のグラビアのようです。ある意味「イメージを売る」というレコードジャケットの方法論を、より鮮明な映像でモダンに表現したものと言えるのかもしれません。(1999.11.27)



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