夏に撮った写真の中の僕たちは、海辺ではしゃいだり、旅行に行ったり、吉祥寺のCafeでお茶を飲んだり、井の頭公園で花火をしたり、バーベキューをしたり・・・・自分でもよくそんなに遊ぶ時間があったなぁ、って思うほど遊んでばかりいます。でもそんな写真にちょっとだけ物足りなさを感じて、秋になるとカメラを持って街を歩きたくなります。駅への道筋、角を曲がったところにあるマンションの花壇の隅で、いつも寝ころんでいる猫もきっと僕のカメラを待っているはず。
永井荷風の時代から植草甚一、沼田元気まで散歩にはカメラがつきもの。池波正太郎がカメラを持って散歩していたかどうだったかは知らないけど(多分持ってない)、今じゃ日曜日に吉祥寺を歩いていると、周りにいる人みんながカメラを持っているのでは、という感じだもの。だから最近はカメラを持って街を歩いたりするのはちょっぴり恥ずかしい。私は持っていないけど最近はlomoが流行っているみたいだし、雑誌でも写真の特集ってこの時期良く目につきますしね。
ところで今回の「ピックウィック・ペーパー」はちょっとだけ趣向を変えて「写真」に関するいくつかの文章を書こうと思ってます。もちろん全部ってわけにはいきませんが。年に4回しか出さないとはいえ、単に気の向くまま文章を書いているだけとはいえ、毎号12個の文章を書くためのネタが続くほど、私の普段の生活に起伏に富んでいるわけではありません。ってことで、ひとつよろしく。(1999.10.8)