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「ナツノ読書2001」

何年か前まで、夏になるとヘミングウェイの「海流の中の島々」か新潮社から出ている「全短編集」のどちらかを読み返していたけれど、ここ数年はあまり読み返すこともありません。どちらかというと本や音楽についての軽いエッセイやアメリカの雑誌の片隅にまるで誌面をうめるためかのように(それが雑誌にとって重要なのだが)載っているような短編集ばかり読んでいます。

通勤の電車の中で3編くらい読み終えたら、降りる駅の手前くらいまで来ていて、ちょっと考え事なんてしているうちに電車は駅に着いてしまう、もしくはどこかの喫茶店で本を取りだして、コーヒーを飲みながらさっと1編か2編読んだら煙草でも吸って出てしまえる、といったくらいの本が、夏の暑さにはちょうどいいと思う。例えば鋭い人物描写や心情を暴露するような表現、あるいは伏線が巧妙に貼られた複雑な構成、小説ならでは技巧や深いおもしろさ、なんてのは秋になってからゆっくり読めばいいんですから。

今年の夏によく読んでいるのは、春頃から私の中でブームになっている、ジェイムズ・サーバーやコーリイ・フォード、リング・ラードナーといったユーモア小説だったり、ジョン・オハラやウィリアム・サローヤンの短編だったり、「Sudden fiction 超短編小説」や「ニューヨーカー短編集」などのアンソロジィだったり、します。リング・ラードナーなんて野球選手を主人公にした短編が多くて、ほんとこの季節にはぴったりです。野球小説と言えば「12人の指名打者」というアンソロジィもありますね。

そんな風に軽やかな本を読んで、夏を過ごしていると、自分がなんだかアメリカ文学を読み始めた頃に戻ったような気持ちにもなったりして新鮮な気持ちになると同時に、あまりにも進歩がなくて我ながらあきれてしったりもします。



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