「燃える初恋(Our Day Will Come)」

「Our Day Will Come (邦題:燃える初恋)」は、50年代主にディズニーのミュージカル・アニメやブロードウェイ・ミュージカルを手がけたBob Hilliardが作詞、電子音楽やイージーリスニングのアルバムを出しているアレンジャーのMort Garsonが作曲しました。オリジナルはRuby & The Romanticsで、1963年の3月にビルボードの1位になっています。当時流行していたボサノヴァのスタイルを取り入れたイントロのオルガンが印象的なムーディな曲(この年のヒット曲にはイーディ・ゴーメの「恋はボサノバ」やエルビス・プレスリーの「ボサノバ・ベビー」といった曲があります)。
私はこの曲が好きで、この曲が収録されているレコードを見ると、よほど興味のないアーティストでなければ買ってしまいます。カヴァー・ヴァージョンがいっぱいあるので、全部買うってわけにはいきませんが・・・・。
この曲を集めていておもしろいのは、ジャズやソウル、AOR、ソフト・ロックなどカヴァーする人が幅広いことです。大抵は、ある特定のジャンルのミュージシャンが、それぞれのジャンルから少しポピュラーよりのスタンスをとったアルバムを作るときにカヴァーされているような気がします。特に60年代のジャズのミュージシャンがこの曲をカヴァーしたアルバムは要注意です。そういった意味では「Goin' Out Of My Head(あなたに夢中)」と同じかも。
「The Golden Hits Of」−Ruby & The Romantics−
オルガンとヴィブラフォンの調べが印象的なイントロとリード・ヴォーカルに寄り添うような「ウ〜」というコーラスが心地よい1963年のヒット曲。
Ruby & The Romanticsは、紅一点のリード・ヴォーカル、Ruby Nash Curtisと、4人の男性バックヴォーカルによる5人組、1961年に結成されKAPP Recordsからデビューしました。Mort Garsonの手がけるソウル/リズム&ブルース臭さをほとんど感じさせないサウンドやTin Pan Alley系の作家の作品も多く取り上げることからも、Bacharach作品を歌うDionne Warwickの共通点を感じます。もっともBacharachのほうが洗練されていますが・・・・。こちらはより雰囲気のある優しい楽曲が多いです。
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「Remember Me Baby」−The Earls−
「Remember Then」のヒットで知られる60年代初めに活躍したホワイト・ドゥワップ・グループ。50年代後半にリード・ヴォーカルのLarry Chanceを中心にニューヨークで結成されました。多分日本では、山下達郎が「On The Street Corner」でカヴァーした「Remember Me Baby」のほうが有名なのではないでしょうか。
The Earlsのヴァージョンは、ギターのリズムを強調した弾むようなアレンジとドゥワップ・スタイルのコーラスが楽しい。原曲を意識したと思われる(?)音色のオルガンからギターへと続く間奏も、50年代後半から60年代初めのイージーリスニングのようなチープな感じが逆にキュートでもあります。
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「Traces」−The Classics Four−
ほかのアルバムに比べてポップな曲が多く収録されている(と思われる)「Traces」は、個人的には大好きなアルバムです。「Everyday With You Girl」から醸し出される雰囲気なんて、まさにマジックとしか言いようがありません。もちろん「Spooky」も好きですが・・・・。どことなくアメリカ南部のアーシーさを感じさせながらも、サウンドは洗練されているという不思議なグループではあります。
The Classics Fourのヴァージョンは、Dennis Yostの憂いを帯びたハスキーなヴォーカルを中心にアレンジされ、この曲のムーディな部分をより引き立てています。浮遊するギターの音色や間奏ではいるサックスもグッド。
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「Time After Time」−Chris Montez−
ソフィストケートされたボサノヴァ・スタイルのポップと言えばA&Mでしょう。Chris Montezの「Time After Time」は、表題曲や「Sunny」など、暖かな日に、部屋の中で寝ころんで、うたた寝しながらゆっくり本でも読んでいたくなるような雰囲気のアルバムです。“けだるい”というには軽いタッチのサウンドであり、“心地よい”というにはほんの少し重い(というか粘っこい)サウンドは、Chris Montezの鼻にかかったクセのあるヴォーカルと、Nick De Caroのさりげないけれども緻密なアレンジのせいでしょうか。ちなみにこのアルバムには「Goin' Out Of My Head」も収録されています。
これにクロディーヌ・ロンジェのヴォーカルがのったとしても同じなんですけどね。
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「The Drifter」−Roger Nicols Trio−
Roger Nicols Trioの「Our Day Will Come」は、原曲にはないフレーズのウキウキするようなイントロで始まります。深いエコーのかかった演奏とコーラスがどこかフィル・スペクターに似ている気がするのは私だけでしょうか(もしかしてエンジニアはラリー・レヴィン?)。アレンジはこの曲の作者であるMort Garson。曲だけ聴いたら、同じ人がアレンしているとは気がつかないほどRoger Nicols & The Small Circle Of Friends風に生まれ変わっています。ちなみに「Don't Go Breaking My Heart」も彼のアレンジ。
なお、左のアルバムは1993年に出たブート(?)です。今では正規のアルバムの中にボーナストラックとして収録されています。
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「More Today Than Yesterday」−The Spiral Starecase−
「More Today Than Yesterday」1曲だけの“one-hit wonder”として知られるThe Spiral Starecaseは、1960年代中期にカリフォルニア結成された5人組。
微かに聴こえるホーン・セクションをバックにドラムからオルガン、ギターへと繋いでいき、一気にホーン・セクションが浮かび上がるイントロには、原曲のムーディな雰囲気は全くなく、このアルバムに収録されている他の曲と同じように、リード・シンガーのPat Uptonの溌剌としたヴォーカルを活かしたポップなヴァージョン。優しい雰囲気のヴァージョンを聴きながら春の暖かい日にのんびりするのもいいけれど、こういうヴァージョンを聴いて外に出てみるのもいいのでは。
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「Our Day Will Come」−Frankie Valli−
75年にリリースされた「Our Day Will Come」は、Frankie Valli、Four Seasons関連で、Bob Crewe も Bob Gaudio も Charlie Callelo も参加していない珍しいアルバム。プロデュースを手がけているのは Hank Medressと Dave Appell のコンビです。
めくるめくストリングスのアレンジやときおり入る女性コーラス、曲の途中でのブレイクなど、いかにも70年代中期のニューヨーク・ディスコ・サウンドといった感じです。10年前に聴いた時は全然いいと思わなかったけれど、今聴くと逆に新鮮で、ときどき取り出しては聴いてます。筒見京平がアレンジしたと言われても信じてしまうくらい、70年代の歌謡曲タッチでもあります。
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「Along Comes Cal」−Cal Tjader−
Cal Tjaderのアルバムにはずれなし。みんな大好きCal Tjader。というわけで、昔、知り合いに誘われてマニュエラ・カフェで初めてDJをしたときに、その時のDJ4人、全員Cal Tjaderのレコードを持ってきたという(もちろん違うアルバムですが・・・・)。
まるでWalter Wanderleyのようなオルガンで始まるCal Tjaderのヴァージョンは、アメリカのジャズ・ミュージシャンが演奏するボサノヴァ/ジャズ・サンバそのものです(まぁ実際そうなんですけどね)。オルガンとピアノ、ヴィブラフォンが交互に奏でる主旋律が涼しげで、夏になったらまた我が家のベヴィ・ローテーションになりそうです。このアルバムはジャケットも気に入ってます。
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「Spanish Grease」−Willie Bobo−
Willie Boboの「Our Day Will Come」は、バックで流れるギターの細かいフレーズと、軽快に刻むパーカッションによるラテンのリズムが、とても気持ちいい爽やかなラテン・ナンバー。夏を思わせるような春の昼下がりか、少しずつ涼しさを感じ始めた夏の日の夕暮れにでも聴きたくなるような曲になっています。淡々とメロディを奏でるホーンセクションもどこか涼しげな感じがします。
アルバム全体をとおしてラテン音楽にありがちな“押し”の強さがなく、どこか形の収まった中である種の“ノリ”を作り出しているのは、Verveからのアルバムだからでしょうか。2in1のCDにはレン・バリーの「1・2・3」のカヴァーもあります。
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