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ボサノヴァに想いあふれて。 (「BRUTUS」:1993年10/15号)

「BRUTUS」のこの号が出た1993年の夏は、いつもよりも多く台風が日本列島を通りすぎて、しかも寒い日が続いていました。友達からもらったハワイ土産のマーティン・デニーのCDも、買ったばかりのレス・バクスターのCDもあまり聴かないうちに、夏が終わってしまった記憶があります。
それでもクラブに行けばブラジリアンな曲がかかりまくっていたし、前の年から続いていたプレスティッジのアナログ盤再発が一段落し、続いてエレンコのアナログ盤がレキシントンから再発されていました。またモンドグロッソや竹村延和がブラジル・テイストの曲を発表したり、ピチカート・ファイヴのアルバムタイトルが「ボサノヴァ2001」だったり、はては山野楽器の「EXOTIC SUMMER 1993」というパンフレット(?)で、ワルター・ワンダレイ、アストラッド・ジルベルト、タンバ4、ゲイリー・マクファーランド、カル・ジェイダーといったCDを紹介したりしていました。

表紙
そんなボサノヴァ・ブームの夏の終わりに出たこの号は、ボサノヴァの歴史やエレンコ・ストーリー、ボサノヴァ歌謡曲など薄い雑誌ながらも内容は濃かったし、執筆者の人選もストレートではあるけれど「BRUTUS」らしくて良かったし、かなり重宝しました。まだ「ブラジリアン・ミュージック」や「ムジカ・ロコムンド」「ブラジリアン・サウンド」といった本も出てなかったし、「ボサノヴァの歴史」を読むには厚すぎるしね。
ついでに、それまで車とかスーツとかそんな特集ばっかりだと思っていた「BRUTUS」が、急におもしろくなったのもこの頃でした。最近はまた違った意味で、普通の人にはわけの分からない世界になってしまってますが・・・・。

「ブラジリアン・ミュージック」や「ムジカ・ロコムンド」などのように、対象をある程度広範囲に、かつ深く掘り下げた本はとても読み応えもあるし、非常に便利ではあるけれど、たびたび読み返すにはちょっと重い。また詳しく書かれ過ぎちゃっていて、レコードも「こんなに聴かなくちゃいけないの」って気分になります。
個人的には、「BTRUTUS」くらいの大きさ、厚さの雑誌で、この号に載っているくらいの量の特集記事がちょうどいい。詳しく知りたければ、そこからちゃんとした本を買えばいいし、レコード屋さんで新たな発見に出会って世界が広がるかもしれないし・・・・。「スタジオ・ヴォイス」でも大きくて、厚いと思っています(昔はかかさず買っていたけれど)。まずはじめに「ムジカ・ロコムンド」やジャンルは違うけど「ソフトロックA toZ」や「AOR・ライトメロウ」、「ギターポップ・ジャンボリー」といったディスクガイドを見て、そこに載っているレコードを見つけていくというのは、音楽好きとしてはどうなのでしょうか?そんな人いないか・・・・。

内容についてですが、実をいうと私が今でもときどき読んでいるのは、 「ボサノヴァ歌謡曲27盤勝負!」だったりします。さすがに載っているシングル盤を探したりはしないけれど、コモエスタ八重樫と湯浅学の会話が結構おもしろい。
それから「ボサノヴァ熱」かな。なんか60年代の青春物語のダイジェスト版という感じで、読み物としておもしろい。ボサノヴァを作り出したミュージシャンたちそれぞれの出会いやジャズとの出会いによって広まっていく様子を、ブラジルの社会情勢と絡ませて描いています。
30枚のディスクガイドやゴンザレス鈴木や内海イズルなどが選んでいるレコードについては、今ではそれほど興味がわきませんが、31枚並んだエレンコ・レーベルのレコード・ジャケットは、再発されているものがかなりあるものの目を引きます。
買った当時も今でもほんとんど読まない小西康陽のボサノヴァをイメージした文章、この頃の小西康陽はいろいろなところで文章を書いていました。

内容とは関係ありませんが、高城剛と一緒に写っているティモシー・リアリーは宇宙葬されたんだなぁ、なんて思ったりして・・・・。

目次より(抜粋)

ボサノヴァ熱。 −柿木央久−
愛と微笑みと花の幸福な時代。 −国安真奈−
ジャズとの運命的な出会い。 −青木和富−
僕が調子っぱずれだって? −柿木央久−
エレンコ・ストーリー。 −内海イズル−
南佳孝、リオの旅 〜ジョアン・ジルベルトに想いあふれて。〜
中古レコードは出会いだ。 −内海イズル−
南佳孝のボサノヴァ・ギター教室。
ボサノヴァ歌謡曲、27盤勝負! −コモエスタ八重樫、湯浅学−
2001年のボサノヴァ論 〜ボサノヴァ・チルドレン〜
テイ・トウワ/アート・リンゼイ/J.P.ヴァイナー/ダブル・フェイマス/
ゴンザレス鈴木/竹村延和/瀧見憲司/内海イズル/小西康陽
おいしいボサノヴァ。 −中原仁−


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