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サントラ・レコードの本 (「映画宝庫」:1978年新年号)

私あまりサントラを買う方ではないので、サントラについての本もこの「映画宝庫」と柳生すみまろ氏が書いた「映画音楽/その歴史と作曲家」という本、「スタジオ・ヴォイス」のSoundtrack特集、それからサウンドトラックのジャケットを集めたLPサイズの画集、番外編として「レコードコレクターズ」のTVサントラ特集([日本編]とわざわざ銘打ってあるのだけれど、外国編はいつ出るのでしょうか?)が主なサブテキストになります。
はっきりいってレコードの枚数からしたらこんなに必要ないくらいなんですけどね。

表紙
これらの本を読んでいて思うのは、それぞれ違った切り口で映画音楽について書かれているのだけれど、“映画を所有するためにサントラを集める”という「映画宝庫」から(中には“俳優を所有したい”という気持ちから俳優のナレーション、朗読を収録したレコードを集める人もいます)、“各映画音楽の作曲家論やヴァージョン違いを楽しむ”という90年代初めの「スタジオ・ヴォイス」、そして“曲そのものを聴くだけでいい”というサバービア以降と、そのときどきの映画音楽に対する価値観の移り変わりです。

最近は発売されるサントラは観ることのできないのものが多いこともあり、映画を所有するといったことはもとより、ヴァージョン違いを楽しむというよりもそれらのヴァージョンの中で一番気に入ったものだけあればいい、といった感じでいい曲ばかりを集めてコンピレーションにしたものが多い気がします。こうなるとイージーリスニングやボサノヴァのコンピと同じで映画音楽という範疇ではなくなってしまっていますね。
ちなみに私は映画をサントラとして所有したいという気持ちは全くないので(というか今映画を所有したいというのであればDVDを買うのではないでしょうか)、サントラとの接し方というと「スタジオ・ヴォイス」とサバービアのあいだくらいになるのでしょうか。

映画音楽は映画に付随しているものであって、一般のポップスはそれ自体が100とすると、映画音楽のレコードは常に50か、それ以下であって、その不完全なために逆に詩的でもある、なんてことが書かれていたりすると逆に新鮮だったりもします。

さて本題。
この「映画宝庫」は、これを読めばサントラについてはほとんど分かるのではないか、と思うほど内容は濃いです。
まず巻頭に「オリジナル・ジャケット展」があって、「映画が聞こえてくるような活劇」「華々しきデザインハイライト」「Tee Vee Disc」などテーマ別に紹介されています。多分今じゃびっくりするような値段で売られているのだろうけれど、これがまたどれもいいんです。でもここで「いいなぁ」なんて思っていたら、続く「レコードコレクションの秘訣を探る」と題した河合弘市さん、柳生すみまろさん、牛木宏さんの鼎談でそんな淡い夢は飛んでしまいます。何しろ1978年と言うこともあるけど、レコードの入手法は海外のペンパルから(しかもいろんな国にペンパルがいるらしい)とか、レコードの並べ方、火災、地震の時のためように別の箱があるとか・・・・私にはできません。周りでやっている人いるような気もするけどさ。

鼎談を読んで「そんなことできない」思ってると、この号が発売された時点で日本で手に入る「オリジナル・サントラ盤 完全リスト」で再び誘惑の魔の手が・・・・。もちろん輸入盤まではフォローすることはできませんが、“国籍”“製作年度”“製作会社”“監督”“出演者”“内容”など小さなスペースながらデータも入っているし、外国映画のサントラについては、モノクロではありますがジャケット写真もあります。1978年当時で「黄金の七人」や「ジョアンナ」「ビバ!マリア」、セルジオ・メンデスが手がけた「ペレ」など日本発売していたのですねぇ。

もちろん「映画音楽の歴史」や「日本映画音楽の現場から」といったためになるコーナーや、「映画音ギャグコレクション」「セクシー・モア・プリュ」「吹替物語−スターとゴーストライター−」といった軽く読める(といっても結構長いが・・・・)コーナーもあります。
調べものをするときは、170名あまりの映画音楽家のプロフィール、担当映画などをまとめた「映画音楽家総覧」や「映画主題歌ベスト150」なんていうものもありますしね。

目次より(抜粋)

[秘宝カタログ1] 「海外発売サウンドトラック・オリジナル・ジャケット展」
「わが青春とサントラ・レコード−
「一九三〇年代の映画から」 −双葉 十三郎−
「映画の夢を象徴する音楽」 −渡辺 武信−
「素晴らしき<映画音楽の時間> 」 −石上 三登志−
「サントラ・レコード私史」 −筈見 有弘−
「宇宙の声と西部の空と」 −小野 耕世−
「さりげないシーンに魅せられ」 −伊藤 勝男−
「映画音ギャグコレクション」 −増淵 健−
「代表的コレクター・その秘訣を語る」 −河合弘市×柳生すみまろ×牛木 宏−
「セクシー・モア・プリュ」 −河野 基比古−
「吹替物語−スターとゴーストライター−」 −川上 博−
「映画音楽家この多才な人たち」 −日野 康一−
[秘宝カタログ2] 「オリジナル・サントラ盤完全リスト−
「映画主題歌ベスト150」 −日野 康一−
「日本映画サウンドトラックリスト」 −福田 千秋−
[秘宝カタログ3] 「日本映画音楽の顔はこれだ!」
「日本映画音楽の現場から」 −吉沢 博×河野 基比古−
「アメリカで見つけた映画レコード屋と珍盤」 −福田 千秋−
「輸入レコード店案内」 −和田 康宏−
「ポピュラー・ミュージックと映画音楽と」 −宮本 啓−
「音のない映画音楽もあったのだ!「映画音楽の歴史」」 −河野 基比古−
「サウンドトラック分析採録フランス映画『太陽がいっぱい』」 −大久保 賢一・河野 基比古−
[秘宝カタログ4] 「わが愛する俳優の名盤」 −増淵 健−
「わが愛蔵輸入盤300」 −河合 弘市、和田 康宏、牛木 宏−
「映画音楽家総覧」 −河合 弘市−


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