「ホリディ イン ジャマイカ」

春くらいからずっとジャマイカの音楽を聴いているので、最近よく聞いているレコードについて「ホリディ イン ジャマイカ」とかタイトルつけて書いてみようかな、なんて思ったのは7月の初めの頃で、気がつけばすでに9月です。まさに光陰矢のごとし。あったんだかなかったのか分からなかった夏も終わってしまい、毎朝、はしゃぎまくる登校途中の小学生たちとすれ違う日々がまた始まってしまいました。
どちらにしても30歳も過ぎれば過剰に夏に期待をしたり(何を?)、意気込んだりすることもないので(今までにそんな夏あったのかわかりませんが・・・・)雨さえ降らなければこのくらいの天気でちょうどよいのだけれど、短いお盆休みのほとんどを雨に降られてしまってどこにもいけなかったのにはちょっとがっかり。
そんな夏を過ごしつつも我が家のBGMは、気分的にはいまいち盛り上がらないまましつこいくらいにレゲエ、しかもラヴァーズといわれているレコードばかりだったのですよ。そもそも巷でラヴァーズと言われている音楽がどういうものを差すのか分かっていないのですが、私の中のラヴァーズというのはスウィートソウルのジャマイカ版。スウィートソウルといってしまうとまた限定されそうなので、大ざっぱに言ってニューソウルからブラコンまでのあいだのジャマイカ版。よけいわけが分からなくなってしまったような気がするけど、要するにソウル。だからゆったりとしたレゲエのリズムでスウィートなヴォーカル、そしてきれいなメロディであればいいというわけでもなくて、ソウルっぽさがどこかにないとなんだか物足りない気がしてしまいます。
そういう意味では有名な人ばかりだけれど、アルトン・エリスやシュガー・マイノット、ジョン・ホルトなどがやっぱり好きですね。そしてこういう人たちのアルバムには大抵、1曲か2曲、レゲエのリズムではなくストレートなソウルの曲が混じっていたりしてこれがまたいいのですよ。
といいつつも、私はアルバムを買ってくるとその中で気に入った曲を2、3曲選んでMDに落として、曲順をランダムにして聴くことが多いので、ソウルばっかりだとちょっと暑苦しい。なのでカールトン&シューズやデリック・ハリオットなどそれほどソウルフルというわけではないけど全体的に洗練されたサウンドの曲や、ジューン・ロッジやジェニファー・ララといったコンテンポラリーな、レゲエじゃなかったらMORというかAORなんじゃないだろうかというような曲があいだに入れつつ流しっぱなしにしています。
そのMDを、例えば夕ご飯を食べているときや、その後にコーヒーと飲んでいるとき、あるいは台所でタバコをすうときとかのちょっとの時間も含めてずっと聴いていて思い浮かべるのは、週末に日差しの強い昼間をだらりと家で過ごした後、少し涼しくなってきた頃に外に出て、近所のレコード屋とか本屋とか雑貨屋とかをちょっとのぞいて、疲れてきたところでちょっと休憩するために入ったカフェで本を読みながら冷たいコーヒーを飲みんでるとき、あるいは夜になってきたので軽い食事をしながらビールを飲んでいたりするときにこんな音楽が流れていたら最高だろうなぁ、なんていう風景、というかただの妄想。そこに偶然友達が入ってきたり、夜なのでドアや窓を開けっ放しにしていて微かな風が入ってきたりしてね・・・・。
そんなことを考えていると、どうもホリディという言葉とジャマイカという国、そして音楽があっていないんじゃないだろうかと思うのです。つまりはのんびりとヴァケーションを過ごすような場所がジャマイカにあって、そこでこういう音楽を聴くという風景がいまいち私には想像できなくて、それは多分私にとってラヴァーズという音楽が長い休日をゆっくりと過ごすためのものではなくて、日常生活の中でちょっとした隙間に聴くことによって、気持ちと切り替えてまた日常に戻るためのスイッチのような音楽になっているからなんですね。
それでさっきの妄想でいえば、軽くビールも飲んで気持ちよくなった後、歩いて家に帰りながら「明日からまた一週間仕事かぁ」なんて思うわけです。でもそれは仕事が嫌なわけでもなく、かといって自分を鼓舞しているわけでもなく、ただ素直に次の日を受け入れるという気持ちにさせてくれるという感じ。はっきりいって私個人の勝手な思い入れだけの暴走になってしまってますけどね。
そんなことを書きつつ、9月に入ったしそろそろ違う音楽を聴いてみようかなぁ、などとレコード屋に行ってはいろいろなコーナーを見て回っている今日この頃。でも夏が戻ってきたみたいに暑い日々が続いているせいかどうも気持ちの切り替えがつかなくて、気がつけばいつものコーナーでレコードを探しているのでした。
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