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■日々の雑記 −2006年−
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「Magazine Covers」−David Crowley−
グラフィックデザインの代表的な媒体としては、ポスターと広告があげられるのだろうけれど、個人的には雑誌(本)の表紙もわりと好きで、一時期そんな表紙を集めた本をよく買ってました。広告もそうだけれど、雑誌の表紙はある期間同じデザイナーがてがけていることが多くので、とおしてみるとその人のデザインの傾向や変遷が分かったりするし、ときどき実験的な手法を用いていたりするときがあって、興味深い。ただ雑誌の表紙というのはアメリカが中心でヨーロッパのものはあまりまとめられたものがないような気がします。そもそも雑誌というメディアがアメリカ的なのかもしれません。偏見ですが、アメリカという国は、分量の多い長編小説や何年もかけて連載される新聞小説よりも、雑誌に掲載される短編小説やコラムの方が重要視されているように思います。
この本には、1920年代から2000年までの表紙が掲載されていて、ひとつひとつの雑誌については、それほど多くの表紙が掲載されているわけではないので、そのデザイナーの変遷という意味では物足りない。およそ100年という長い期間でのデザイン全体の流れ、というか印刷技術の進歩の様子がわかるという感じではあります。まぁ月並みですが、1950年代から1960年代にかけて作られたものが好きだ。それは好みの問題もあるけれど、ある意味、印刷技術とデザイナーのアイデアがちょうどいい具合のバランスを保っているような気がします。それより前の時代は、アイデアよりも技術の方が追いついていない気がするし、それ以降は技術の方が進みすぎているような‥‥。ただの個人的な印象に過ぎませんけどね。

さて、週末からロバロバカフェの新春古本市が始まりました。わたしは基本的には社交的な性格ではないので、こういう機会がないとほかの古本屋さんの人と話したりすることもないし、来てくれた人と話したりすることもないので、特に店番の当番でなくても、行けるときはできるだけ顔を出して、用もないのに店の中をうろうろしたり、人が沢山はいってくると居場所がなくなってときおり外に出てみたり、コーヒーやケーキを食べたり、ほかの本屋さんの本を眺めたりしてるつもり。ロバロバカフェ自体もかなり居心地のいいカフェですしね。
2006.1.9

「植田正治写真集:吹き抜ける風」−植田正治−
今年は、1日に寝込んでしまったせいで、浅草にも行かず、実家にも帰らず、と、お正月の計画が崩れてしまった。かといって、特に行きたいところもなく、観たい映画もなく、バーゲンにも興味はなく、正月早々古本屋という気分にもなれず‥‥なんて考えなら、東京都写真美術館でやっている「植田正治:写真の作法〜僕たちはいつも植田正治が必要なんだ!〜」に行く。
意外と見に来ている人が多かったということは、同じようなことを考えている人が多いということなのだろうか。それにしても、このサブタイトルの意図がぜんぜんわからない‥‥。

わたしにとって植田正治といえば、原田知世のアルバムジャケットになった「カコ」である。「ジ・エンド・オブ・ザ・ワールド」や「ボス・サイズ・ナウ」、「TEN VA PAS(彼と彼女のソネット)」などをカバーしたミニアルバムで、写真の題名にあわせてかタイトルも「カコ」だった。バイト先の社員が仕事場でよくかけていたのを思い出します。当時は、プロデュースの鈴木慶一のせいでなんだかときどきひねくれたアレンジになるのがじゃまだなぁ、なんて思っていたけれど、今聴くとどうなのだろう。結局、自分では買わなかったのでわからない。
で、ちょっと調べてみたら、1994年発表とありちょっとびっくり。もっと前、1990年前後かと思ってました。わたしの記憶では「最後の晩餐」と同時期くらいだったんですけどねぇ‥‥。話が横道にそれましたが、その「カコ」を含めた「砂丘シリーズ」ももちろん展示されてます。

人の配置やポーズ、全体の色合いはもちろんのこと、空に浮かんでいる雲や砂丘の模様ひとつひとつまでもが、植田正治の意図のままに作られているような作品を見つめていると、なんとなくロバート・メイプルソープの「花」のシリーズを思い出したりする。メイプルソープほど密室的な雰囲気はなくて、実はこれが自然な姿なのではないだろうか、と思ってしまったりする瞬間さえあるところが植田正治の写真の魅力なのだと思う。
2006.1.5

「ちんちん電車」−獅子文六−
前回、「今年中にもう一冊くらい読んで‥‥」なんて書いてみたものの、やはり、年末は本を読んでいる暇はなくて、気がついたら年が明けてました。ついでに年明け早々、風邪を引いてしまって元旦はほんとの寝正月というありさま。メルマガも2005年最終号をきちんと出せなかったし、雑記もまとめられなかったし、きちんと2005年を締められなかった感じでしたが、2006年、今年もカヌー犬ブックスをよろしくお願いします。

下北の古本屋でかなり安く見つけたこの本は、品川から浅草まで、都電の各駅ごとにその土地についてや思い出を書いたもので、見返しには「電車競争双六」と称して東電(品川←→本町角)、街鉄(数寄屋橋←→三田四国町)2つの路線の双六が印刷されています。安かったのは函がなかったからですが、電車切符を配した表紙を含めてとてもいい感じに作られている本なのでなので、できればいつか函付きのものをいつか手に入れたい、と思う。内容も、獅子文六は横浜出身ですが、幼少の頃から慶応に通っただけあり、その後、フランスへの留学期間があるとしても、品川から三田、浅草をつなぐ線には長いあいだ馴染みが深く、それぞれの駅ごとの記憶も確かなので、記録としても残しておきたい気がします。といっても、私には、“正しい”“正しくない”の判断はもちろんできませんけどね‥‥。
2006.1.2

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